2010-07-11

どうしてもなくならないもの~悲しい話

木曜の夜。
街と人々の関心をまるごと飲み込む暴動が起きました。
78人が逮捕、30店以上が略奪や破壊の対象に。

ここベイエリアにとっては、1年半前に起きた悲惨なニュースのクライマックスの一つとも言えるかと。


始まりは1年前の元旦、BART(SFやOaklandを走る電車)の駅構内で、グループの喧嘩を止めにきた警官に一人が銃で撃たれ死亡したんですね。ここで大きな問題が二つ。

一つは、地面に伏せたが抵抗を続ける男性に、テイザー(スタンガン)を使用しようとして、間違って(本人主張)拳銃を発砲。
二つ目は、撃った警官は白人、死亡したのは黒人。
これを写した複数のビデオがニュースやyoutubeに出回り、直後にOakland市街地で黒人による大きな暴動が起きます。

そして時が過ぎたこの前の木曜日、判決が出たわけです。

親族が望んだのは、当然殺人罪。
しかし結果はInvoluntary Manslauter (故意ではない過失致死)
結果はもちろんのこと、陪審員に黒人がいなかったこと(white, asian, latinoで構成)などシステムへの不満が爆発し、夕方から大きな抗議デモが始まりました。

多くは前回のような暴動は良くないと、比較的peacefulな抗議者が街を埋めたものの、間違いなく暴動が起きると予想した人たちが車を連ねて街から逃げていく光景も見られ、異様な雰囲気の中、結局暴動が勃発、他の自治体からの応援も含めた武装した警官隊がOaklandの街を制圧し、長い夜になったわけです。

タラレバの話ですが、もしこれが逆だったら(被害者白人)とか、警官がアジア人だったなら、、。
ここまで大きなニュースになり、さらには暴動など本当に起きたんだろうか?

普段の生活の中では感じられない(少なくともSFやLAでは)人種間のミスコミュニケーションや隠れた火種が、このような事件であっという間に表に出てきて、誰にも止められなくなる。
人権運動(特に黒人の)が活発だった時代から、50年程度経ちますけどね、どうしてもなくならない現実が時に目を覚ましてしまうんですね。

悲しい話だな。


受刑者になる元警官は、退廷の時に防弾チョッキを着けていました。
刑務所で。出所後の仕事や生活で。
これから家族も含めいつ殺されるかもしれない生活になるんだと、、。

(興味のある方は、youtubeやgoogleで"BART shooting" とか "Oscar Grant"(被害者)、"Oakland riot"などで検索すると、実際の映像が見られます。)



写真はCBS newsより


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4 件のコメント:

  1. そういうことだったのか。
    暴動も起きていたなんてしらなかった。
    対岸の火事、、、では済まされないニュースですね。
    オークランドの警官は80人解雇されるんでしょ?こんな状況の中で、どうなっちゃうのかな。ベイエリアの平和は保てるのでしょうか。

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  2. 多人種国家アメリカの良いところはたくさんあって、だからこそ自分も生活できるわけで、複雑ですね。

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  3. 暴動が起きていたんだ…。複雑ですね。こんなとき、多人種がいる職場では、異様な雰囲気になります。口数が少なくなるというか、余計なことをしゃべってはいけない雰囲気になるというか、なんと言うか。
    無事でよかったですね。

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  4. 普段から危険なことに巻き込まれないように注意してます。
    職場が多人種なのは基本的に好き。

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